秋の園遊会:山本太郎議員が突然 陛下に手紙手渡す

毎日新聞 2013年10月31日 20時26分(最終更新 10月31日 21時00分)

 天皇、皇后両陛下が主催する秋の園遊会が31日、東京・元赤坂の赤坂御苑であり、山本太郎参院議員(無所属)が天皇陛下に突然手紙を手渡す場面があった。手紙はすぐに側近の侍従長が預かった。山本議員の行為は、皇室の政治利用に抵触する可能性があり、宮内庁幹部は「天皇に国政の権能がないことは憲法に明記されており、ねぎらいの場である園遊会にふさわしくない」と語った。

 山本議員は31日夕、国会内で取材に応じ、手紙の内容は福島の原発被害に関するものだと明らかにした。その上で「子供たちの健康被害、原発作業員の劣悪な労働環境など、この国の現状を知っていただきたかった。一人の人間として思いをお伝えした。政治利用は全くない」と話した。

 一方、菅義偉官房長官は記者会見で「その場にふさわしいかどうか常識的に判断することだ」と述べ、不快感を示した。

 園遊会に招かれる国会議員は、宮内庁が人数を指定したうえで、衆参の事務局に推薦を依頼している。【長谷川豊、青島顕】

ビートたけし、山本太郎議員の手紙問題に苦言「失礼だよね」

山本太郎議員の行動に苦言を呈したビートたけし
山本太郎参院議員が園遊会で天皇陛下に手紙を渡した問題について、タレントのビートたけしが2日夜に生放送されたTBS系情報番組「情報7days ニュースキャスター」で、「ちょっと失礼だよね」と苦言を呈した。

 天皇、皇后陛下のお茶会に一度呼ばれたことがあるたけしは、「オレなんか緊張しちゃって、こんなに(固まったしぐさ)なっちゃったよ」と振り返り、「我々にとって、天皇陛下というのは、戦後日本の文化や、あらゆるものの象徴だからね。その方に政治的な意見を考えさせちゃいけないね。それは内閣がやることだもん」とぴしゃり。

 山本議員の行為について「どういう神経してるんだろ。オレ、パフォーマンスだと思ったもんね。ちょっと失礼は失礼だよね」と踏み込んだ発言をした。

 山本議員は10月31日、秋の園遊会で天皇陛下に東京電力福島第1原発事故による原発作業員の労働環境などの現状を書いた手紙を手渡した。1日、記者団に囲まれると、「マスコミの皆さんが騒ぐことによって、これが政治利用にされてしまう」などとマスコミに責任転嫁するように、持論を展開していた。

 日本テレビ系バラエティー番組「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の『ダンス甲子園』出場がきっかけとなり芸能界デビューした山本議員にとって、たけしは恩人。2011年の年末には「ビートたけしのガチバトル2011」にたけしから“民意の代弁者”として招かれ、討論番組デビューした経緯もある。2013年11月03日ライブドアニュースより引用