毎日新聞 2013年11月01日 12時56分(最終更新 11月01日 13時15分)
参院議院運営委員会は1日午前の理事会で、山本太郎参院議員(無所属)が10月31日の秋の園遊会で天皇陛下に手紙を手渡した問題について協議した。岩城光英委員長はこの後、山本氏を国会内に呼び事情を聴取した。議運は5日に再度理事会を開き、何らかの処分を出すことを含め対応を検討する。
聴取を終えた山本氏は国会内で記者団に、「手紙を渡すことがルールに反しているという意識はなかった。天皇の政治利用にはなっていないと思う。議会のお沙汰や意見は受け止める」と語った。
与野党からは「皇室の政治利用に抵触する可能性がある」と問題視する声が相次いでおり、自民党の脇雅史参院幹事長は1日、党役員連絡会で、山本氏が辞職しない場合は辞職勧告決議案の提出を検討すべきだと語った。民主党の松原仁国対委員長も「許されない。議員辞職すべきだとの意見には非常に共感する」と述べた。
1日の閣議後の記者会見では、下村博文文部科学相が「議員辞職ものだ。まさに政治利用そのものだ。安易に看過することがあってはならない」と参院での厳しい対応を求めた。谷垣禎一法相は「憲法上、天皇は国事に関する行為のみを行い、国政に関する権能を有しない。参院議員が訴状を提出すれば、天皇陛下を国政に引きずり込むようなことになりかねない」と指摘。古屋圭司国家公安委員長は「国会議員として常軌を逸した行動だ。国民の皆さんも許されざる行為だと怒りを持ってみているのではないか」と語った。【影山哲也、福田隆】